子どもの笑顔に関わる仕事をしたい……そこが原点。3

●オーガニックコットンそのものの色を生かす ーーブランド立ち上げ第1号の商品ラインナップは? 前田: 1995年7月にオーガニックコットン製品のブランド「メイド・イン・アース」がデビューしました。第1号のアイテムはタオル […]

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●オーガニックコットンそのものの色を生かす

ーーブランド立ち上げ第1号の商品ラインナップは?

パイルの長さがふんわりとした肌ざわりを生み出す

前田: 1995年7月にオーガニックコットン製品のブランド「メイド・イン・アース」がデビューしました。第1号のアイテムはタオル類です。商品はすべてきなり、グリーン、茶という、オーガニックコットンのそのものの色で、染色はしないという主義を貫いています。

ほかに、ボディタオル、ソックス、Tシャツ、ベビー布団セット、メンズトランクスにレディスショーツ、そしてオーガニックコットンを洗うためのせっけん……当時のカタログを見てみると、懐かしいですね。商品の構成は今とそれほど大きく変わらない。

私たちのコンセプトとして、まずは直接肌にふれるものからつくりたい、という思いがあった。寝具、肌着、タオル、これらは今でも定番商品。パーカーなどのアウターや女性もののブラウスなどは、最近できたアイテムです。

ーー商品開発で大切にしてきたことは何でしょうか。

前田けいこ: 何と言っても、オーガニックコットンの風合いそのものを感じてもらうことです。タオルであればループを長めにして、ふわふわしたコットンのやわらかさにふれてもらう、というように。

最初このコンセプトでタオルをつくりたいとタオル工場に相談した時は、「こんなのはタオルじゃない」と門前払い。タオルはパイルが短いもの、というのが当時の業界の常識でした。それを、何度も足を運んで工場に交渉して、ようやく承諾を得てつくってもらうことになった。それで、やはり気持ちのいいタオルができてきた。

ーーオーガニックコットンは工場では扱いにくい、ということはないのですか?

前田けいこ: 通常のコットン製品は、加工しやすいように製造工程で様々な薬品が使われます。例えば糸を生地にするための下準備として、糸の滑りをよくするためにパラフィンやシリコン樹脂などでワックスをかけ、糸が切れにくくなるよう糊をつけます。生地ができたら今度は糊を抜くために酸化糊抜き剤を使い、さらに色を入れやすくするよう次亜塩素酸ソーダや傾向漂白剤などで漂白します。
オーガニックコットンは天然の油分がそのまま含まれているため、織り機にかける時に織りづらい、編みづらいということがあったようですが、私たちはどうしても、製造工程で化学薬品を使いたくない、という思いがありました。

また、メイド・イン・アース製品の色の展開はきなり、グリーン、茶のみ。色をつけやすくするために生地を漂白して化学染料で色づけするという工程を省き、オーガニックコットン本来が持つきなりのオフホワイトな色、淡いグリーン、そしてやさしい茶を生かした製品づくりをしたかったのです。

次ページに続く

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