子どもの笑顔に関わる仕事をしたい……そこが原点。

オーガニックコットンのブランドとしてメイド・イン・アースが産声を上げたのは、今から16年前の1995年のことでした。「気がついたらオーガニックコットンの世界にのめりこんでいた」という、チーム・オースリー代表・前田剛と、取 […]

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オーガニックコットンのブランドとしてメイド・イン・アースが産声を上げたのは、今から16年前の1995年のことでした。「気がついたらオーガニックコットンの世界にのめりこんでいた」という、チーム・オースリー代表・前田剛と、取締役・前田けいこ。メイド・イン・アースを通じて伝えたいこととは……。2人へのロングインタビューの始まりです。

●農薬まみれのコットンに衝撃

ーーチーム・オースリーは元々広告会社だったと聞き、とても驚きました。まったくの異分野から、どうしてオーガニックコットン製品の製品開発、販売を手がけるようになったのですか?

チーム・オースリー代表取締役・前田剛(右)と取締役・前田けいこ(左)

前田剛: 私たちがオーガニックコットンに出会ったのは、確か1993年ごろだったと思います。1989年に広告とセールスプモーション活動を手がける広告企画制作会社として、株式会社オー・スリーを設立しました(2003年にチーム・オースリーに改称)。当時の広告業界はまだバブルの香りが色濃く残っていた時代。私たちの会社では、渋谷をジャックして清涼飲料水の広告キャンペーンを行ったり、携帯電話の留守番電話機能の体験プロモーションのようなイベントを企画運営していました。

そんなある日、以前働いていた職場の先輩とお酒を飲んでいて、「前田、広告の仕事をしていて、今後どういうことをしていきたいの?」と夢を問われました。その時とっさに私の口から出た言葉が、「子どもの笑顔に関わる仕事ができたらいい」。今になって思えば、それがオーガニックコットンの仕事につながる布石だったのかもしれません。

ーー初めてオーガニックコットンにふれることになったきっかけは?

前田: その先輩の紹介で行った仕事先で、たまたま、日本でオーガニックコットンを普及させるプロジェクトが始まろうとしていました。その時私は初めてオーガニックコットンにふれることになったのですが、それはまさに人生観が変わるほどの体験でした。

私にとってのコットンのイメージは、「天然・無垢」という言葉の代表格で、コマーシャルでよく見るように、洗いざらしの純白のTシャツやタオルのイメージが強かった。ところがそれは、コットンを漂白してつくった白であり、洗濯洗剤に含まれる漂白剤や蛍光剤が洗濯後の不自然なまでの白色をつくっているという現実を初めて知ることになったのです。そのうえ、コットンの原料である綿花を生産する際は、食用でないことから、農薬や化学肥料、殺虫剤、枯れ葉剤などの薬剤が多用されているとのこと。それまで私がコットンに抱いていたイメージが覆った瞬間です。

同時に、その時私の目の前にあったやわらかな生成りの色、ふんわりとした風合いのオーガニックコットンが、コットン本来の姿であるということに気づかされました。そのギャップの大きさが、今でも衝撃として私の中に残っています。

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