子どもの笑顔に関わる仕事をしたい……そこが原点。2

●オーガニックコットンの魅力のとりこに ーーオーガニックコットンとの出会いから、それを本職にするまで、どんな経緯があったのですか? 前田剛: 最初は日本でオーガニックコットンを広めていくお手伝いをしよう、つまり広告プロモ […]

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●オーガニックコットンの魅力のとりこに

ーーオーガニックコットンとの出会いから、それを本職にするまで、どんな経緯があったのですか?

メイド・イン・アース直営店「ホーム・ルーム自由が丘」にて

前田剛: 最初は日本でオーガニックコットンを広めていくお手伝いをしよう、つまり広告プロモーションを企画することからのスタートでした。

その時に感じたのは、当時のオーガニックの世界では「地球にやさしい、人にやさしい」という価値観が優先で、そのイメージはなんだか地味でストイック……という印象。それでは、広く一般の人にたちには届きにくいのではないかと。私たちは、それとは少し異なる座標軸……例えばデザインのよさや、オーガニックコットン本来の気持ちよさ、商品の魅力そのもので売り出してはどうだろうかと考えました。「感性に訴えかける」手法ですね。

そこで、現在に至るまでメイド・イン・アースのデザインづくりに携わっている画家でデザイナーの福田勝さんのお力をお借りすることになった。福田さんは天然・自然な生き方を実践している方です。ブランド発表当時の「100%地球製」というキャッチコピーや、ブランド名にもなっている「メイド・イン・アース」というキーワードは、福田さんとのやりとりから生まれてきたものです。

前田けいこ: オーガニックコットンのプロモーション企画を半年、1年と続けているうちに、だんだん私自身の中にオーガニックコットンに対する愛着が芽生えてきました。オーガニックコットンの魅力を伝えるために、サンプルや商品などを形にしていく仕事がともかく楽しかった。ほとんど、オーガニックコットンに取り憑かれたような状態でした(笑)。

メイド・イン・アースの定番で原点とも言えるタオル

前田剛: 途中で「私たちはオーガニックコットンを広めていかなければならない!」という使命感のようなものが生まれてきた(笑)。当時からオーガニックコットンはいずれ社会の中で当たり前に受け入れられていくだろうという確信がありました。それで、様々な方の協力を得て、有機認証を受けている生産者や工場を紹介していただいたり、自分たちで販路を開拓していくなど、まるで道なき道を切り拓いていくように、新たな事業に挑戦することになったのです。

それで、チーム・オースリーの中では、私と当時からのスタッフの諏訪哲朗が、これまで通り広告の仕事をやって、前田けいこと現在も活躍してくれている岩渕温子がオーガニックコットンの企画開発を行うというように役割分担ができました。結果的に、しばらくは広告とオーガニックコットンの二足のわらじをはき、オーガニックコットンだけに事業を絞り込んだのは2003年ごろの話です。

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