これまでも、これからも、オーガニックコットンを通じて世界を伝えてゆきたい。

2011年は、時代の転換期となるような1年でした。3.11に起こった東日本大震災、そして翌日には東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こりました。私たちメイド・イン・アースも、会社のあり方、日本や世界の未来について、いま […]

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2011年は、時代の転換期となるような1年でした。3.11に起こった東日本大震災、そして翌日には東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こりました。私たちメイド・イン・アースも、会社のあり方、日本や世界の未来について、いままで以上に真剣に考え、見つめ直した1年でした。私たちがこれから、何を大切にしていきたいのか、お客様に何をお伝えしてゆけるのか……メイド・イン・アース代表の前田剛・けいこが2011年を振り返り、そして未来を展望します。

■生き方を見つめ直した3.11

—— 2011年は歴史的にも非常に大きな転換点となる一年でしたね。

前田剛: 3.11直後は、被災地を襲ったあまりに大きな出来事にたいへん心を痛めました。また、私たちがこのまま東京で、日本で事業を続けてゆけるのか、自分の家族やスタッフ、その家族、協力工場の皆さんの安全確保を考えると、先行きが不透明で、不安と心配を抱えていたのも事実です。震災当日は帰宅難民になったスタッフもいましたし、直後はスタッフにも「家族や大切な人との時間を優先に」と告げ、数日間の休日をとり、「出勤もできる範囲で」と伝えましたが、多くのスタッフが「自分にできることはないか」と、被災地の方々に向けた支援物資の箱詰めや、現地ですぐに使えるよう布ナプキンの洗濯などを手伝ってくれました。
オーガニックコットンを伝え広める企業として、自分たちが出来ることを精一杯おこなっていくなかで、春を迎えるころには少しずつ落ち着きを取り戻しました。GW後にようやく実際に被災地に行き、協力工場の訪問や支援活動をしてきました。離れたままでの支援とはまた違い、生の声をききながら感じることはとても大切なことでした。

3.11の大震災より9カ月が過ぎてもなお、その大きさをいまも痛感しています。

これまでメイド・イン・アースがやろうとしていたこと……化学的な薬剤を使わない、天然の素材のピュアな質感をそのまま伝えるものづくり。そこから暮らし全体に広げていこうという取り組みや方向性は、これからも変わらず進んでゆきます。ただ、これまで以上に私たちの仕事を誠心誠意全うしてゆきたいとの思いは、加速した気がします。
東日本大震災でお亡くなりになった方のご冥福を心からお祈りするとともに、被災された方、いまなお不自由な生活を余儀なくされている方に、心からお見舞い申し上げます。そして、私たちは今後も被災地のことを決して忘れることなく、支援活動とともに、事業自体も誠実におこなっていきたいと考えています。

前田けいこ: わたしも同じ気持ちです。

震災直後にはスタッフ同志で集まり、被災地への支援物資や布ナプキンを送る活動をした

原発事故によって、私たちが普段何気なく使っていたエネルギーが、実はものすごく環境に負荷を与えていて、一度事故を起こしたら取り返しのつかないほどの汚染をいまなお広めています。私たちがその当事者になってしまいました。経済成長や効率化が至上命題となり、大切なことを見落としていた……今回の震災で改めてそれに気づかされました。

また、自然災害や、原発のような巨大なエネルギーシステムは、どこか私たちと遠い出来事のように感じていましたが、実は身近なところに潜むリスクであることも再認識しました。

最初にオーガニックコットンの存在を知った18年前、たいへん大きな衝撃を受けました。コットンと言えば、天然の素材の代表格にように感じていたのに、実はものすごく大量の農薬を使い大地や生産者の環境に負荷を与えていること。また製造の工程でも、化学薬剤でコットン本来が持つ質感を削ぎ落して、繊維のみを取り出してものづくりをしていることを知り、すごくショックだった……いま、その時のことを思い出します。

次頁に続く

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