第5回「布ナプキンフェスタ 2018」開催レポート

第5回「布ナプキンフェスタ 2018」開催レポート   オーガニックコットンの下着や肌着といった素肌に優しい生活雑貨を幅広くお届けする中、近年ぐんぐんと愛用者数を伸ばしているのが「布ナプキン」です。   […]

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第5回「布ナプキンフェスタ 2018」開催レポート

 

オーガニックコットンの下着や肌着といった素肌に優しい生活雑貨を幅広くお届けする中、近年ぐんぐんと愛用者数を伸ばしているのが「布ナプキン」です。

 

わたしたちの暮らしが自然と共にあることをもっと大切にしたい、という考えから、毎年アースデイなどの環境系イベントにも出店していますが、数年前からはさらに「もっと女性の心や体のことを知り、より健やかになることを話し合える場をつくりたい」と考えていました。

 

そこで「布ナプキン」をキーファクターとして注目した、おそらく日本で唯一のイベント「布ナプキンフェスタ」を企画開催するようになり、今年で5回目を迎えます。

 

沢山のご来場者と共に楽しい1日となった2018年の布ナプキンフェスタ。おなじみの人気コンテンツから初の試みまで、今年の様子をレポートします!

 

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会場と出店内容はこちら

 

2018年の会場は、自由が丘駅から徒歩5分にある素敵なスペース「カーサタナ」。きれいなキャンバス地のパラソルがお祝いごとのようにも感じられ、心なしか受け付けされる皆さんも笑顔が多く見られました。

 

会場内には販売ブースを両側に設置したオーガニックマルシェをご用意。

 

・布ナプキン他メイド・イン・アースのオーガニックコットン製品

・ココナッツオイル専門店の「ココウェル」

・西荻窪にある玄米菜食「米の子」

・イスラエル発!ヴィーガンファラフェルサンド

・オーガニックな原材料を使った焼き菓子の店「 Filica」

・天然酵母パンの草分け的存在 「ルヴァン」

など、この日だけの割引や特典をご用意し、どのブースもたくさんの方にお立ち寄りいただきました。

普段はメイド・イン・アース自由が丘店にて、毎月第1土曜に開催している「くらしの天然市場」でもエシカルでオーガニックなミニマルシェを開催していますので、ぜひ毎月の「くらしの天然市場」にもお越しくださいね。

 

そして「綿くり&糸紡ぎ」が体験できるブースや、全部で合計6回も開催された「手作り布ナプキン」のワークショップもあり、実際に手を動かすワークショプは毎回とても楽しそうに盛り上がっていました。

 

 

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充実のプログラム内容がこちら

プログラムの朝一番は予約参加制のヨガクラス。それも「月経血コントロールヨガ」の第一人者である仁平美香先生の60分クラスとあって事前申し込みで満席でした。

 

「せっかく布ナプキンとのコラボレーションなので、より自然で安心して布ナプキンを使える体作りになることをお伝えしますね」

 

と頼もしい先生のことばでスタートしたヨガクラス。

 

前半は普段の暮らしの中でもできるような骨盤に負担のない座り方、立ち方、骨の位置、体のゆるませ方など、後半はヨガのポーズをできるだけ参加者ひとりずつに細やかな指導。

体の仕組みや、部位の説明など、いろんなロジックも一緒に教えてくれるので、ただポーズを真似するだけでなく、なぜ&どう効果があるのかを教えてくれました。

 

教わったことを実践しつつ、布ナプキンをよりストレスなく使えるよう、月経血コントロール上手を目指したいですね。

 

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続いては対談イベント。

メイド・イン・アース ブランドマネージャーの前田けいこと、エコでオーガニックな野外フェス「アースガーデン」主催の田川登美子(たがわ とみこ)さんによる対談形式の時間。

トークテーマは「布ナプキンで変わるカラダのお話」です。

 

近年メディアなどを通して「デリケートゾーンケア」が取り上げられることが増えたなか、メイド・イン・アースの布ナプキンもデリケートゾーンケアを通した視点から着目されることが増えてきました。

 

田川さんは、今回の布ナプキンフェスタのために関連書籍も紹介してくださり、

「これまで長い間わたしたちはデリケートゾーンケアについて公言することはほとんど一般的ではなかったですよね」

と書籍を読んだ思いや、社会の変化について触れ、

「だからこそこれからは、みんなで頭のチャンネルを切り替えるように意識的に考えることが大切だと思いました」(田川さん)

 

現代のライフスタイルは過去とは違う生活様式になり、デリケートゾーンケアの”筋トレ”の機会はほぼ失われています。使わなない筋肉のまま年齢を重ねていくと、デリケートゾーンも筋力不足となり、場合によっては脱腸などにつながるケースもあるんだとか。

 

「今はまだ若くても将来、閉経や更年期などを迎えるときにできるだけ負担がなく、自然な体の変化として過ごせるようにするために、今から自分の体に良いことを意識したいですね」(前田けいこ)

 

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ランチの時間帯は、「米の子」のお弁当やファラフェルがどんどん売れていました。体に優しい食事を各自で楽しむ時間。ご参加者同士、またはゲスト講師とのおしゃべりもできて賑やかなフリータイムをお過ごしいただきました。

 

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午後のトークは、以前のイベントでもお世話になった大阪の婦人科医、糸氏 明子(いとうじあきこ)先生によるトーク。テーマはずばり「冷え」です。

 

糸氏先生のクリニックで行われた調査では、冷えを「ときどき」または「常に」感じると回答した人たちがなんと全体の8割以上、特に20〜30代の女性に多かったそう。冷えがもたらす女性の体への影響について、先生ご自身の体験や、医師としての経験、そして豊富なデータとともに解説してくださいました。

 

糸氏先生の素晴らしいところは、なんといってもあの明るさ!現実的なデータを目の前にし「どうしたらいいのか…」と少々深刻になりそうな話題のときこそ、気持ちがパッ!と元気になるようなアドバイスをくださいました。

 

「冷えを改善することはもちろん大切!でもね、まぁまぁ、多少冷えようとも、しんどいことが続くときでも、ネガティブな自分もヨシヨシとかわいがってあげられる。そんな余裕ある自分を、自分で作ること。楽ちんにうまく生きていくコツはそういうことです!」

と明るい笑顔とノリの良い関西弁でチャーミングな糸氏先生。

 

仕事に家事に自己ケアに…と、ついつい頑張りすぎてしまいがちな現代女性たちに、

「自律神経を整えるのに、最も大切なものは2つ。呼吸と、そして笑顔です!」

と心強いアドバイスをくれました。

 

また糸氏先生には以前から、メイド・イン・アースの布ナプキンモニターにご協力いただいており、18名の患者さんたちに布ナプキンをお試しいただいた8ヶ月間の結果もシェアしてくれました。

 

18名の中でも特に多いのは、ムレ・痒み・かゆみを繰り返すというお悩み。そんな悩みを持った13名のうち10名には「症状を繰り返さなくなった」「少しはあるけど改善されてきた」という嬉しい結果がみられたとのこと。

 

「オーガニックコットンの通気性の良さが、彼女たちの症状にうまく作用してくれたと思います」と嬉しい解説もくださいました。

 

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続いて座談会の第一弾は女子トーク!

 

さまざまなバックグラウンドをもった4名の女性たちと、ファシリテーターとして前田けいこ(メイド・イン・アース)、田川登美子さん(アースガーデン)のふたりが布ナプキン愛用者ならではのトークを繰り広げました。

 

オーガニックコスメを扱うCosme Kitchen 関東マネージャーの茂木さんは、過去には一般的な生理用品を使い肌荒れやかぶれてしまう悩みがあったそうですが、初めて布ナプキンを利用したときから早くも改善され、さらに生理期間が5日間ほどに短くなったことを実感した、と初めて布ナプキンを使った約8年前を振り返って話してくれました。

 

すでに20年近く前から布ナプキンを知っていたという鍼灸師のまゆこさん。出会いが早かった分、生理期間が7〜8日間も続いている人が多いと知った時は驚いたそう。OL時代には一般的な紙ナプキンを使用されていたこともあり、生理になると冷えや腰まわりのだるさ、PMSのような感情的な時もあったのが、今はどれも克服。現在は代々木上原に美容鍼灸サロンMIZUHAを運営し鍼灸師としてご活躍です。

ミス・インターナショナル2017準日本代表という華やかなキャリアの村上 麻衣さん。はじめて経皮吸収について知った際、オーガニックや健康が大好きでありながら「自分の大切な部分になんてことしてたんだろう」と感じたそうです。布ナプキンへの興味を強め、使い始めて約3ヶ月。温かさを与えてくれる布ナプキンに出会えて、女性としての喜びを得たと話れくれました。

 

メイド・イン・アース自由が丘店のスタッフとして、さらに、布ナプキンアドバイザーとして多くの方に布ナプキンの良さを伝えている嶋村さん。過去、初めて布ナプキンを買うまでに店頭で30分以上も悩み、さらに買った後も長期間なかなか使う決断に至らずにいた経験の持ち主。それは経血量の多さなど不安要素があったためで、それでも心を決めて布ナプキンを使って以来改善され、今では自らの経験を活かして悩める女性たちにアドバイスをしています。

 

前田けいこと田川さんも、それぞれ布ナプキンと出会ったときのエピソードを共有しながら、各ゲストに布ナプキンの効果や、デリケートゾーンケアについて質問しました。

 

茂木さんがお勤めのCosmeKitchenでは現在、デリケートゾーンケアの関連アイテムを強化していて、特にここ3年ほどはお客様からのニーズも増えたそうです。

また昨年からはメイド・イン・アースとのコレボレーションとして、オリジナルのリトル布ナプキンも製作販売くださっていますので、お近くのCosmeKitchenにお出かけの際にはぜひお手に取ってみてください。

 

まゆこさんの患者さんの中には、かぶれやPMSなどでお悩みを持つ方も多いそうですが、なぜかトラブルを抱える方ほど布ナプキンになかなか切り替えない方が多いと感じるそうです。

「でも無理やり使わせるわけにはいかないので(笑)サロンでは布ナプキンの紹介コーナーを作り、質問してくれた方には実際に見せながら説明しています」

と患者さんのハードルを下げるときのことを教えてくれました。

 

村上さんは過去に女性器系の不調を経験したことや、デリケートゾーンの脱毛サロンでお勤めの方からアドバイスされた内容、さらにデリケートゾーンケアの専門家のセミナーで習ったことなど多数のきっかけを元に、ご自身もケアを心掛けていると教えてくれました。

外側と内側でオイルを使い分けるなど、体調の変化に配慮しながらケアしているとか。

「これから年月を掛けて、将来良かったと思える結果を出せるように今から気をつけたいです」

と実践していることをシェアしてくれました。

 

嶋村さんは、メイド・イン・アース自由が丘店にて、実際にデリケートゾーンのトラブルを持ってご来店くださる方を接客する中、特に多いのがムレ・かぶれのお悩みだと感じるそう。またご出産経験者の方には、赤ちゃんはもちろん、自分自身も優しい布で包みたいと考えていらっしゃる人も多くご来店されると教えてくれました。

みなさんもご来店くださった際は、どうぞお気軽に店頭スタッフにお声がけくださいね。

 

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そして今年の布ナプキンフェスタ最後を飾るのは、初の試みである「男子のざっくばらん座談会」と題された、座談会の第2弾!

 

「布ナプキンは女性だけの問題ではないはずだし、パートナーシップの中で女性の体のことをどう捉えているかなどを知り合う機会にできれば」と本企画を考案した前田けいこ、そして田川登美子さん(アースガーデン)を進行役としてトーク参加の男性たちはこちらの方々。

 

西荻窪にある玄米菜食のお店「米の子」オーナー 市川 啓(いちかわけい)さん、

ココナッツオイルの専門店「ココウェル」オーナー 水井 裕(みずい ゆう)さん、

そしてメイド・イン・アース代表 前田 剛(まえだ つよし)の3名です。

 

それぞれ3人とも、女性が多い業界で活躍されており、女性の体調の変化は仕事にも関わる関心ごと。では実際に今のお仕事を通して、女性の心と体についてどう捉えているのでしょうか。

市川さんの場合、ヴィーガンで玄米菜食を提供する「米の子」で勤務されるスタッフさんは大半が女性、さらにお客様も8割が女性だそう。

「女性のほうが健康意識の高いものを選ぶ傾向があって、それも直感的に良いものを感じ取ってる気がしますね。You are what you eat.(私たちは食べ物でできている)といわれますが、心も体も、食べ物によってあり方が変わると思っています。」

また、糸氏先生のお話にもあったように低体温気味のひとが多いようにも感じるそうで、玄米や発酵醸造した食材など、体を温める食材を使って調理されるそうです。布ナプキンの利用についても「体を作る上で、食とも無関係なはずがない」と話してくれました。

 

水井さんもお客様のほとんどが女性、年齢層も幅広いそうです。各世代の女性のお悩みを聞くことが多く、最近はココナッツオイルに含まれる認知症予防や対策の効果にお客様のニーズが高まっていると感じるそう。

また、水井さんがココナッツオイルに出会ったのは留学先のフィリピンだそうで、フィリピンでは女性の体の不調を整える際に燃やすい(温まりやすい)ココナッツオイルを使った「ヒロット」という伝統的なマッサージが有名なんだと教えてくれました。

実際フィリピンでは女性の立場がとても強く、ココナッツオイルなどの工場もトップの役職に就くのもほとんどが女性だそう。興味深いですね。

 

屋外フェスや環境イベントの場では、自ら布ナプキンの接客もしているメイド・イン・アース代表の前田。商品の良さを丁寧に説明しお客様に喜んでいただくことも多いのですが、ときにはお客様のお気持ちを察し、女性スタッフにバトンタッチすることもある、という経験談をシェア。

「環境意識の高いイベントとはいえ、実際に布ナプキンを使用している女性から話を聞きたそうな人もいる。何よりもお客様には快適なかたちで布ナプキンを知ってもらいたい」

と心掛けていることを共有しました。

また、関心を持っているSDGs(2030年までの国際目標として国連が提案した、持続可能な開発のための17項目)についても触れ、オーガニックコットン業界では女性の活躍が目立つものの、日本はまだまだ国際スタンダードに比べて女性活躍の順位が低いことを紹介。

「この現実をきちんと受け止めながら、今の業界で貢献できることをしていきたい」(前田)

 

座談会後半は、世代や時代背景による、男女それぞれの体の変化という話題へ。

 

3人とも幼少期は女性の生理について理解する機会がほとんどないままだったそうで、「本来なら男性にもっと知識を深める機会があると良い」という話になりました。

 

「布ナプキンは、男性を教育するのに良いツールかもしれない」と切り出したのは市川さん。ご自身の経験では、布ナプキンに理解は高いものの、意図してないタイミングで漬け置き洗いを見つけた瞬間はまだ驚くこともあるんだとか。

「パートナーの男性には、チラ見せさせながら慣れさせるのが良いと思う」(市川さん)

 

また、男性にもおとずれることがある更年期障害や、少しずつ体力に変化がみられ始める50代前後。もしかしたら女性以上に不調をうったえづらい社会状況についても話題が進みました。

 

前田けいこからも、「パートナーはもちろんだが、仕事仲間など他者に対して優しい気持ちを持っていられる秘訣」について問いかけがありました。

 

「妻とはなんでも比較的話し合います。体の変化もお互いオープンに話す方だし、これからも感謝の気持ちを持ちながら何でも話せるようにしていたいですね」(水井さん)

 

「男性も女性も、お互いの体調について理解を深めて配慮する成熟度が望ましい」(市井さん)他者に優しい気持ちでいるためにも、自分の心をおだやかに保つことが必要と話し、6年続けているヨガの呼吸法に効果が感じられると教えてくれました。

 

「人と対立することを好まない」と自らの優しさの秘訣をバランサーに例えた代表の前田は、最近の気づきとして「対立している二者がいたらそれぞれの良さを分かち合いたいと感じる」と話します。

 

田川さんは3人のお話から、「つまり性別や年齢の問題なのではなく、他者を慈しむ心こそが重要なんですね」とまとめてくれました。

 

「布ナプキンを使う、ということだけが大切なのではなく、他者や社会に対するやさしい気持ちを持つからこそ”布ナプキン”というアイテムに気づきを持つ。そこから行動に変えることができる。

まずは他者に優しい気持ちを持つ人がもっと広まることで、世界は今よりもステキになるかもしれませんね」

と、私たちが暮らすこの社会の課題を思い出させてくれました。

 

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無事に第5回目を終了し、多くの嬉しいお声もいただけた今年の「布ナプキンフェスタ」。この優しいアイテムをもっとたくさんの方にお届けできるよう、メイド・イン・アースは引き続き努めて参ります。

今年の布ナプキンフェスタにご来場くださいました皆さま、ありがとうございました!

次回もどうぞご期待ください。

 

 

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