機能性と風合いのよさ、無垢さを備えた
タオルをつくる職人さんの心意気

2011年9月上旬、メイド・イン・アース設立以来のロングセラーであるウォッシュタオル、フェイスタオル、バスタオルがリニューアルします。摘みたてのオーガニックコットンのふわっふわな風合いを活かしながら、軽やかで使いやすく生 […]

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2011年9月上旬、メイド・イン・アース設立以来のロングセラーであるウォッシュタオル、フェイスタオル、バスタオルがリニューアルします。摘みたてのオーガニックコットンのふわっふわな風合いを活かしながら、軽やかで使いやすく生まれ変わります。化学薬品を使った脱脂や精錬を行わず、オーガニックコットンのピュアな質感を丸ごと生かしたメイド・イン・アースのタオルづくりにともに取り組んでくださる協力工場を訪ねて、大阪は泉州をぐるりと回ってきました。

●職人さんたちの心意気と挑戦に支えられて

メイド・イン・アースのタオルをつくっているのは、日本初のタオル産地でもある大阪・泉州。泉佐野、泉大津など、大阪府の中央部からやや南よりの大阪湾に面した地域で、かつては綿花の一大産地として賑わっていました。国産タオルの産地としては、今治と国内シェアを分け合い、糸を織ってから染める後ざらし工法で風合いのよい「泉州タオル」で知られています。

メイド・イン・アースのタオルができるまでには、オーガニックコットンの糸をタオル地に織り上げ、洗いにかけて精錬し、タグなどを縫い付ける縫製の各工程があります。オーガニックコットンの糸は毛羽が出やすいので織機が詰まったり、糸が切れやすいので扱いが難しいとされていますが、それでも集中力を高めていいオーガニックコットンのタオルをつくろうと挑戦してくださる職人さんがいるから、気持ちのよいタオルがつくれるのです。

●風合いのよいタオルを織り上げるために

カシャンカシャンカシャンカシャン……幾台もの織機がひっきりなしに動いているタオル工場。ちょうど、メイド・イン・アースの新しいタオルが織られているところでした。3000本ほどピンと張られた経糸に、ふわっふわに立ったパイルの糸が、1分間に約300回転のスピードで織り込まれていきます。
オーガニックコットンは天然そのまんまの繊維なので、まさに生き物と同じ。空気が乾燥しすぎていたら糸が切れやすくなるといったトラブルが起きやすく、逆に天候や湿度の案配がよいとキレイに織れるので、工場の方は温度や湿度の案配を気にしながら糸を機械にかけます。メイド・イン・アースの新しいタオルは60番手という細い糸を長いループで織り上げるため、細心の注意が必要。この日もタオル工場の社長さんは、糸の張り替えに全神経を集中させて取り組んでいました。

メイド・イン・アースのタオルケットやタオルシーツの生産工場にも足を伸ばしてみました。ここではメイド・イン・アースの製品のみ織機を変え、糸などの保管場所も分けて、ほかの綿製品と混ざらないよう対応をしています。

「オーガニックコットン製品はトレーサビリティがしっかりしており、何かトラブルが起こっても生産工程の追跡ができるので、すぐに対応できます。特にメイド・イン・アースの製品は、原綿も、製造工程にしても、中途半端なところがいっさいない。私の工場でもメイド・イン・アース製品でケミカルを完全にシャットアウトしてきたノウハウから、一般製品でも従来のつくり方と異なる方法を編み出すなど、今後のタオル製造においても学ぶことがたくさんあります」とは、タオル工場の社長さんのお話です。

●「風合いのよさ」を追求するため、心を込めて精錬

泉州のタオル工場では、タオルを織る際、糸の強度を上げて切れにくくするために、でんぷん糊を使います。糊がついたままのタオルはパリパリで固いので、縫製の前に一度洗いにかけて糊を落とす「精錬」という工程が入ります。
メイド・イン・アースの製品の洗いを担当する精錬工場では、オーガニック専用の釜で、合成洗剤は使わずに天然せっけんを使って洗いにかけています。織り上がった生地を搬入する際のカゴや、洗って脱水した後、あるいは乾燥後の製品を入れる容器も「オーガニック専用」と大書して、ほかの製品と混ざらないようにしています。また、蛍光漂白剤を使う製品を脱水する日とオーガニックコットンを脱水する日を分け、間に蛍光漂白剤などを使わない一般製品を入れることで、蛍光塗料がオーガニックコットン製品に混ざらないように最大限の注意を払っています。ここまでして始めて、化学染料や蛍光漂白剤とオーガニックコットン製品が混ざることを防いでいます。

精錬工場の担当の方は、「精錬は織りから縫製の間の工程ですが、最終的にお客さんが気持ちいいと感じてくださるように、いい洗いをして、風合いがよくなるよう乾燥をさせようと、いつも考えて仕事をしています。工程の途中であかんもんをつくったら、それは最終製品に出てしまいますから」と、製錬工程の大切さを語ってくれました。また、「メイド・イン・アースの仕事をすることによって、オーガニックコットンを洗う時だけ工場をきれいにするのでなくて、いつもきれいにしておかなければいけないという意識が、工場の職人さん全体に広がっていきました」とも。

●オーガニックコットンの糸は自然素材。天候に合わせて調整

縫製工場では、タグを縫いつけたり、タオルの端(ヘム部分)のロゴを刺繍します。縫製工場の社長さんは、「湿気の多い日は糸の暴れ方がすごくてね。蒸し暑い日は縫い目が不安定になったりする」と、オーガニックコットンでノーワックスの糸の性格を語ります。糸切れ以外に苦労しているのは、シリコンスプレーを使えないこと。一般製品をミシンがけする時には、生地の滑りがよくなるようシリコンスプレーをかけます。今はミシンが高性能化して動きが高速になっているので、極力抵抗と摩擦を少なくして、生地がスムーズにミシンの上を走るようにできるかがポイントなのだそうですが、メイド・イン・アース製品の場合はもちろんこうした薬剤を使用しません。

オーガニックコットンの糸をミシンがけすると、天候によってはミシンで糸が生地を貫通する時に、繊維と繊維がこすれて糸が切れることがあります。そのため、糸の巻き具合がふわっとした状態になるよう巻き直し、天候に合わせて糸調子を整えるとのこと。ちなみにこの縫製工場では、メイド・イン・アース用のミシンを1台決め、綿以外の化繊はそのミシンにはかけず、使う前にはエアガンでミシンを吹いて埃などをきれいに掃除しています。

このように、通常のコットン製品の工程で効率をよくするために使っている化学薬剤が使えなかったり、切れやすく変化する自然素材の糸を相手に、メイド・イン・アースの協力工場の方々は日々試行錯誤してくださっています。分別の手間はかかりますが、だからこそ挑戦しがいがあると、心意気を持って取り組んでくださる協力工場があってこそのメイド・イン・アースのオーガニックコットン製品。新登場のタオルも、高いハードルを乗り越えて、やわらかさと繊細さ、軽やかさを兼ね備えた、高級感あふれるデザインでもうそろそろお客様のもとにお目見えします。オーガニックコットンの産地、工場、私たちの思いがつながった新しいタオルを、楽しみにしていてくださいね。

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