女性の心身、生理をつかさどる女性ホルモンを知ろう!

2大女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」  女性の生理期間は、順調であれば約28日-30日前後の周期だと言われています。生理があるのも、生理前に頭痛がしたり、カラダがむくんだり、イライラしたり……PMS(月経 […]

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2大女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」

 女性の生理期間は、順調であれば約28日-30日前後の周期だと言われています。生理があるのも、生理前に頭痛がしたり、カラダがむくんだり、イライラしたり……PMS(月経前症候群)と呼ばれる不快な症状が起こるのも、実は女性ホルモンのはたらきによるものです。
人間のカラダは様々なホルモンの指令によってコントロールされています。そのうち、卵巣から分泌される2つの女性ホルモン「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は、女性をふっくらと丸みのある体型にしたり、生理、妊娠、出産と深い関わりを持っています。女性ホルモンは第二次性徴が始まる10歳前後から分泌量が増え、20代から40代にかけてピークを迎え、40代半ばごろから徐々に減少していきます。体型の変化も女性ホルモンの分泌量と大きな関係があります。

さて、生理と女性ホルモンの関係は、いったいどのようになっているのでしょうか。毎月の生理のリズムは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量の変化によって決まります。卵胞ホルモンは卵子を成熟させ、また子宮内膜を厚くする、精子が通りやすくなるよう分泌液を増やすなどのはたらきがあります。また、卵胞ホルモンは女性らしさをつくるホルモンでもあり、子宮や乳房に丸みをもたせる、肌の潤いを保つ、髪にツヤを与える、記憶力を高めたり骨を強くするなどのはたらきもあります。

 卵子が成熟するといよいよ排卵。黄体ホルモンの分泌量が急激に増えます。おりものも粘り気のある状態に変化し、卵胞から卵子が飛び出します。黄体ホルモンは受精卵が子宮内膜に着床しやすいように整える役割を果たします。着床したら分泌が続き体温も高温に維持し妊娠の継続を助けます。体内の水分をキープしたり、食欲を旺盛にする、乳腺の発育を促すなどの作用があるため、月経前に感じる乳房のハリや、むくみ、のぼせなど、PMSにつながる症状が起こりやすいのもこの時期です。受精卵が着床しなかった場合、黄体ホルモンも卵胞ホルモンも分泌量は減少し、子宮内膜がはがれ落ち排出されるのが、生理です。体温は下がり、それによって頭痛、腹痛、イライラなどが起こりやすいと言われます。そして生理が始まり、2-3日すると卵胞ホルモンの分泌量が上昇するので、体調が少しずつ落ち着いてくるのです。

布ナプキンを使って自分の心身を観察しよう

このように、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量の変化と、女性の心身や生理は大きく関係していることがわかります。女性のカラダの周期は大きく4つに分かれます。生理中、卵胞ホルモン優勢で体調も心の調子もイケイケの低温期、排卵期、そして黄体ホルモン優勢で心身の不調が現れやすい高温期。基礎体温の変化でこれらの時期をある程度予測することができるので、基礎体温表をつけることは、心身の状態を把握するのに効果的です。また、おりものの状態とホルモンバランスも大きく関係します。排卵が近づくとおりものの量が増えサラサラな状態になり、排卵すると糸を引くような粘り気のある状態に変化します。
本来一定のリズムで変化するはずのホルモンですが、生活習慣やストレスなどでバランスを崩してしまうこともあります。卵胞ホルモンと黄体ホルモンを分泌する指令を出す性腺刺激ホルモンは、脳にある視床下部が脳下垂体に指令を出して分泌されます。視床下部は自律神経系や免疫系を同時につかさどるので、ストレスに敏感に反応してしまうのです。頭痛、肩こり、むくみ、冷え、のぼせ、便秘・下痢などは、発症には様々な要因が考えられますが、女性ホルモンのバランスの乱れも一因かもしれないので、ストレスを軽減し、リラックスして過ごしたり、ヨガやストレッチなどお気に入りのセルフケアもよいかもしれません。
 メイド・イン・アースの布ナプキンを愛用している方のなかには、自分の心身を自分でケアしたり、特に生理の状態やホルモンバランスの変化の乱れなどに注意を払っている方が多くいるようです。布ナプキン使うことで、日々、生理の経血の状態や血やおりものをナプキンと一緒にすぐに捨てるのではなく、自分の経血やおりものの状態をしっかりチェックすることにもなります。基礎体温とセットでおりものの粘度、色、においを確認することで、排卵日を予想し、妊娠・避妊の目安にもなります。また、体調に異変がある時はより早めに気づきやすくなります。
このコーナーでは今後、月経にまつわるトラブルや、布ナプキンと一緒にやりたいセルフケアの知恵などもお伝えしていきます。布ナプキンを通じて、生理をより身近に、親しく、大切に感じていただければと願っています。

参考文献
『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』平田雅子(私のクリニック目白院長)・監修、成美堂出版
『女医さんが教えてくれた 女性ホルモンが分かる本』網野幸子(医学博士・吉田医院院長)・監修、主婦と生活社
『女性のからだと卵子のひみつ 卵子(ランコ)ストーリー』babycom きくちさかえ・鈴木賀世子・著、早乙女智子・医学監修、小学館

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