子どもたちに伝えたい「布ナプキン」  学校向け出張講座

初めての生理を迎える時に、布ナプキンの存在を知っている少女たちはどれくらいでしょうか。小学校での初経指導で、あるいは学校の保健室に生理痛でかけこんでくる少女たちに、布ナプキンの存在を知ってもらえたら……。毎月の生理を経験 […]

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初めての生理を迎える時に、布ナプキンの存在を知っている少女たちはどれくらいでしょうか。小学校での初経指導で、あるいは学校の保健室に生理痛でかけこんでくる少女たちに、布ナプキンの存在を知ってもらえたら……。毎月の生理を経験するなかで、女性にだけある特別なカラダのサイクルを感じ、自分を大切にする心を育んでもらえたら……。

メイド・イン・アースでは、そんな思いを持って、小中学校の養護教諭を対象に、布ナプキンのサンプルや、生理の仕組みをわかりやすく示したパンフレットを提供する「布ナプキンモニター」を募集しています。生理の仕組みや布ナプキンの使い方、素材についての講義や、純オーガニックコットンのハンカチからつくる布ナプキンの手づくりワークショップの出張講座も行っています。これまで全国の80の学校にサンプルを提供し、メイド・イン・アースのパンフレットを初経指導に使っている学校もあるそうです。

 

■純オーガニックコットン布ナプキンの特徴

 

講演の際にはメイド・イン・アースの全ての布ナプキンを展示し、実際に見てふれて感じられるようにしている

先日、関東地方の教職員組合に呼ばれ、約30校の小中学校の養護教諭の先生方を対象に、布ナプキンについての講義と、手づくりワークショップを行う機会をいただきました。講演のテーマは「自分のカラダを大切におもう心が芽生える“布ナプキン”」です。メイド・イン・アースのブランドマネージャー・前田けいこが純オーガニックコットンの特徴や、布ナプキンと使い捨てナプキンの違いなどについて話しました。

 

「布ナプキンのことを知っている方、どれくらいいますか?」

この日参加した30名の先生のうち、3分の1ほどが布ナプキンを知っていて、実際に使っている人は3名でした。中には、「使い捨てナプキンを使っていた時はかぶれがひどかったのですが、使ってみたらよくなった」という経験者もいました。

 

メイド・イン・アースの布ナプキンは、安心・安全・長持ちが特徴。コットンは食べ物ではない分、最も大量の農薬を使っている農産物の一つです。途上国では児童労働や低賃金労働が当たり前で、農薬や遺伝子組み換えコットンの種子の購入で借金苦に陥っている生産者も少なくありません。「私たちが日常的に使っている衣類で、誰かが悲しんだり、つらい思いをしているのは心苦しい。生産現場を理解しながら、オーガニックコットンを広めていきたい」というのがメイド・イン・アースの想いです。

加工の段階でも糸が切れにくくならないようにワックスをかけたり、繊維に色が入りやすくなるようコットンが本来含む油分を抜いて、化学染料で染色し、さらに縮みを防止するために防縮加工をするなど、「天然素材の代表」のように思われているコットン製品には、驚くほどたくさんの化学的な薬剤が使われています。

メイド・イン・アースの場合、公的な認証機関の厳密な基準に適合している有機栽培綿のみを使用し、摘みたてコットンの風合いを保つために、脱脂や化学染色、防縮加工をほどこさず、洗い仕上げも合成洗剤ではなく天然のせっけんで行うなど、「ピュアなオーガニックコットンのふっくらした繊維に負荷をかけず、より温かく、やさしい、そのままの状態で最終製品まで加工する」ことを大切にしています。そんな純オーガニックコットンでつくった布ナプキンだからこそ、素肌への負担もなく、下着と同じ感覚で使えるものなのです。

 

純オーガニックコットンの布ナプキンと使い捨てナプキンの違いについて説明する前田けいこ

講義では、メイド・イン・アースの布ナプキンを使ったお客様から届いている声もお伝えしています。

「生理の期間が短くなる。1-3日目までは経血が多めに出て、4日目からは少しだけになり、5日はほとんど終わる」

「経血の量が多すぎず、少なすぎず、適正な量になる」

「カラダの冷えが軽減され、不妊に悩んでいたが妊娠できた」

「生理痛が酷くて鎮痛剤が手放せなかったが、布ナプキンにしてから生理痛をあまり感じなくなった」

「生理の時のにおい(経血の酸化臭)がほとんど気にならなくなった」

……こうした声は、お客様の実体験によるもので、医学的な実証実験の成果を待たなければなりませんが、経験による口コミで布ナプキンが広く知れ渡るようになり、ユーザーが増えていることも事実です。

 

■自分のカラダを大切に思うきっかけに

 

純オーガニックコットン100%でつくられている布ナプキンと、石油由来の素材でつくられている市販の使い捨てナプキンの大きな違いは、素材はもちろんですが、その処理も大きいです。自分のカラダから出た血液を「汚物」として捨てるのか、自分で洗い流しきれいにしてまた使うのか、という点。「使い捨てナプキンはカラダについた血液を汚物としてとらえ、イヤなもの、見たくないもの、カラダから離れたから自分と関係のないものというように、生理をネガティブにとらえる一つの要因になる」と私たちは考えています。

先生方へサンプルとして配った布ナプキンと資料

布ナプキンの場合は、毎月自分の経血を自分で洗うため、経血の色や状態(黒ずんでいた、固まりが出ていたなど)を把握し、食生活や仕事の忙しさなど、自分をふりかえる大きなチャンスになります。そして、「自分のカラダを大切に思う、体調と生活の関係や、細かい変化に対する興味がわいてきます。それが布ナプキンのすごくいいところ」なのです。そう、自分のカラダを大切に思う心が芽生えるのです。

 

布ナプキンを使う時にハードルになりがちなのが、お洗濯です。メイド・イン・アースで開発した「ウォッシュヘルパー」は、つけ置きするだけで経血の汚れがするりと落ちる、すぐれもの。布ナプキンはカラダを冷えから守る、肌への負担がないなどよい面がたくさんあるのに、お洗濯の面倒さからつまづいてほしくない。また、小さな子どもがいる家庭では、母親が布ナプキンを洗濯することで自然な形で生理のことを伝えることができ、「生理の時は疲れやすいからやさしくしてね」など、男の子にも伝えやすいというメリットもあります。

 

メイド・イン・アースでは、小中学生にぜひ、布ナプキンの存在を知ってほしいと考えています。子どもだからこそ「使い捨てナプキンでなければいけない」という先入観はなく、親が使っていれば自然と同じものを使うようになるのはメイド・イン・アースの前田けいこも実生活で体験済です。「いま、子宮にトラブルを抱えている女性が増えていますが、特に思春期の子どもたちには、石油化学系の素材でつくられた使い捨てナプキンでの肌トラブルや、冷えから解放されてほしい。布ナプキンは生理中だけでなく、日常的にも下着の補助として使えます」(前田けいこ)

 

初めて生理用ナプキンを使う際は、まずは家で徐々に試して慣れてから、日常的に使ってほしいとアドバイス。「お風呂上がりから使うのもおすすめです。カラダを洗った後の気持ちよさと、純オーガニックコットンの布の心地よさで、使いたい! という気持ちが自然に芽生えます」(前田けいこ)

 

■ワークショップで自身の生理や布ナプキンの感想を語り合う

 

講義の後は布ナプキンの手づくりワークショップ。手を動かしながら、学校での生理やナプキンの指導などについて意見交換が行われていた

約1時間の講義の後は、養護教諭の先生方と一緒に、純オーニックコットンのタオルハンカチを使って布ナプキンの手づくりワークショップを行いました。純オーガニックコットンの糸でタオルを縫いながら、先生方は感想を語り合っていました。

「小さな布ナプキン(リトル布ナプキン)は可愛いから、子どもたちにも受け入れられそう」

「初経指導に使ういい教材がなくて……」

「布ナプキンを使うことで自分のカラダに向き合うことができるというお話で、生理に対する考え方が変わった」

「使用済み布ナプキンはくるんで汚物入れに捨てるよう、処理のことはしっかり教えてきたけれど、経血に向き合うという指導はしてこなかった」

……などなど、前田けいこによる講義は、先生方にとっても生理に向き合い、生理に対する考え方が変わる大きなきっかけになったようです。

 

メイド・イン・アースではこの出張講座を通して、「子どもたちに布ナプキンを知ってもらうことで、毎月の生理から自分のカラダ、暮らしを見直し、自分を大切に思う心が芽生えてほしい」という思いを強めました。また、小中学校の現場で養護教諭として日々子どもたちと向き合っている先生方と語り合うことで、もっと布ナプキンのことを世に伝えたいと、思いを新たにしました。

 

メイド・イン・アースでは、布ナプキンのお試しモニター、小中学校へのサンプル配布を行っています。また、教職員組合や、大学の教職員養成課程での出張講座等もご希望があれば承りますので、ぜひお問合せください。

 

 

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