布ナプシフトの第一歩。アースデイ東京2011レポート!

アースデイ東京といえば、毎年2日間で15万人以上が訪れる日本屈指の野外イベントです。今年は3月11日に起こった東日本大震災を受け、急きょテーマを「ふんばれ日本、変わらなきゃ未来」に変更。アースデイ支援金の募金箱を設置した […]

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アースデイ東京といえば、毎年2日間で15万人以上が訪れる日本屈指の野外イベントです。今年は3月11日に起こった東日本大震災を受け、急きょテーマを「ふんばれ日本、変わらなきゃ未来」に変更。アースデイ支援金の募金箱を設置したり、チャリティー販売を行うブースが目立ちました。
そんななか、メイド・イン・アースでは「くらしに深呼吸」をテーマに、布ナプキンを全面展開。多くの女性やカップルが足を止め、布ナプ生活の一歩を踏み出したようです。

●布ナプシフトキャンペーンがスタートしました!

布ナプシフトキャンペーンの一コマ。右が使い捨てナプキン回収ボックス

アースデイ東京2011の初日、4月23日(土)はあいにくの雨。朝から降ったり止んだりを繰り返し、突風もときおり吹くなか、いつもは人でごった返す会場の代々木公園もどこかのんびりムードでした。だからこそ、お客様とじっくり話す時間をとることができ、布ナプキンを手にとりながら生理痛の悩みを話してくださる方や、布ナプキンに興味があっても周りに布ナプ愛用者がいなくて始められないとか……。そんな悩みを打ち明けてくださる方が多かったようです。

今年のメイド・イン・アースのテーマは「くらしに深呼吸」。その一歩として、布ナプ生活を始めてみようと謳い、ブース全体で布ナプキンの使い心地や環境問題、女性の体のメカニズムなど、スタッフが独自に調べたパネル展示と、商品の展示・販売を行いました。

「紙to布。布ナプシフトキャンペーン」として、会場では使い捨てナプキン回収ボックスを設置。使い捨ての生理用ナプキンと引き換えに、メイド・イン・アースの布ナプキン購入時に使える100円のクーポンを差し上げるというもので、ホームページをご覧になって袋ごと使い捨てナプキンを持参くださった方、その場でキャンペーンを知りポーチの中からナプキンをポンと箱に入れてくだった方、さまざまでした。集まった使い捨てナプキンは被災地への緊急用支援物資として送る予定です。

布ナプキンを手縫いでちくちく

実は、東日本大震災以降、メイド・イン・アースには布ナプキンへの問合せが相次いでいました。震災を機に暮らしを見つめ直したい。自分の生活から1つでもゴミを減らしたい……。様々な動機があったことでしょう。その行動の表れの一つが、「布ナプ生活を始める」という選択肢なのかもしれません。

雨降り初日の夕方、空に虹が架かりました。それを見た一人のお客さんは、“これを機に布ナプ始めてみようかな”と、布ナプキンをご購入。そんな風に、布ナプ生活を始めるきっかけはさまざま。きっと、オーガニックコットンの温もりとやわらかさが、生理の期間をゆったりとやさしく変化させてくれるはずです。

●カンボジアでの綿づくりに熱視線。

雨のなか多くの人が足を止めたWITH PEACEのトークショー

メイド・イン・アースのブースでは今回、糸紡ぎ体験と手づくりコースター、手づくり布ナプキン、手づくり布おむつの3種類のワークショップを開催し、多くの方にご参加いただき、交流することができました。

なかでも、「NPO法人地雷原を綿畑に!Nature Saves Cambodia!」共同代表の山本賢蔵さん、石井麻木さんとメイド・イン・アース代表・前田剛のWITH PEACEトークショーには大勢の人が足を止め話に聴き入っていました。

土曜日のトークでは石井さんが「世界中には1億、カンボジアには600万発の地雷が埋まっていると言われていますが、カンボジアの特徴は生活する土地に地雷があること。それでも人々はその土地で生活するしかない状況なのです」とスライドショーを交えながら説明。NPO法人地雷原を綿畑に!Nature Saves Cambodia!では、地雷原から地雷を撤去し、その地を開墾し、オーガニックコットンを植えて現地の産業を復活させ人々に仕事の機会を与える活動をしており、メイド・イン・アースは製品開発と販売という形で支援しています。石井さんは「WITH PEACEの手紡ぎ・手織りのカンボジアクロマーをぜひ手にとってほしい。一つひとつに人びとの思いが込められた、またとないアイテムです」と力説、ブースの流木に掛けられた天然の植物染めのクロマーが光を受けてはためいているのを、多くの方々が手にとり、眺め、羽織る姿が見られました。

コットンを手でつむぐワークショップ

山本さんはまた、東日本大震災を受けてカンボジアの方々が支援金を送ってくださり、日本円にして8万円を赤十字に、15万円を原発事故で揺れる福島県浪江町に寄付したことを明かしました。8万円は現地にとっては大金で、貧困ラインとされる1日2ドルで暮らしている場合、13家族以上の1カ月分の生活費に相当するほどのお金です。石井さんは「毎日危険と隣り合わせで暮らしている彼らが、日本の方々と苦しみを分かち合いたいと、祈りとメッセージを添えて義援金を送ってくれた。涙が止まらなかった」と話しました。

子どもたちの笑顔を見たいという気持ちから始めたメイド・イン・アースの事業。カンボジアの人々の笑顔から元気をもらって、むしろ自分が支えられているということを感じます。

● 「ふんばれ日本、変わらなきゃ未来」。エネルギーシフトパレードには5000人が参加!

おおぜいが渋谷の街を明るく闊歩したエネルギーシフトパレード

今年のアースデイ東京は、運営者も、出展者も、そして来場者も何か胸に期するところがあって参加した人が多いように思えました。実際、各ブースでは東日本大震災の被災地支援を呼びかけ、義援金箱を設置したり、売り上げの一部をチャリティーに回すなどの動きが目立っていました。また、2日目の24日(日)には、エネルギーシフトパレートを開催。約5000人が集まり、手には放射性物質を吸収するといわれている菜の花を持って代々木体育館から渋谷駅前のスクランブル交差点、明治通りを通って原宿経由で代々木公園に戻る、約2.5kmを行進しました。各自が「原発いらない!」「エネルギーシフトを!」と声を上げながら、手を振り、踊りながらの、新しいスタイルのデモ行進となりました。

東日本大震災を受けて、誰もの心の中に、“今、変わるとき”という気持ちが芽生えているようです。それぞれが自分の場所でできることをやっていくという決意を固め、動き始めたようにも思えるアースデイ東京2011。一人ひとりの「シフト」の積み重ねが、日本を変えるエネルギーになるのかもしれません。布ナプキンも、きっとその一つのはずです。

(取材・文 キタハラマドカ/メイド・イン・アース@PRESS)

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