オーガニックコットンをオーガニックな製法でつくる。

メイド・イン・アースのものづくりは、とことんオーガニック。原料であるコットンはもちろんのこと、製造のあらゆる工程で化学薬品や合成洗剤を使わず、、「摘んだままのふわっふわのコットンボール」そのままをいかに製品化していくかに […]

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メイド・イン・アースのものづくりは、とことんオーガニック。原料であるコットンはもちろんのこと、製造のあらゆる工程で化学薬品や合成洗剤を使わず、、「摘んだままのふわっふわのコットンボール」そのままをいかに製品化していくかに力を注いできました。誰もがオーガニックコットンと聞いた時のイメージ通りの、安心して使えるオーガニックコットン製品をつくりたい……。その情熱を形にすることで、本物がもつ本物の風合いへの共感を得て、より多くのお客様のご愛用を受け、また支えてくださっているのを日々感じているメイド・イン・アースです。
(聞き手・文/キタハラマドカ@メイド・イン・アースPRESS担当)

(第1話のリンクはコチラ →子どもの笑顔に関わる仕事がしたい……そこが原点。
(第2話のリンクはコチラ →ものづくりへの想い、伝えたい!
(第3話のリンクはコチラ →オーガニックコットンが世界を変える。

●なぜ、メイド・イン・アースがここまで追求するのか。

—— メイド・イン・アースと言えば、「オーガニックコットンのブランドの中でも特に、製造工程までオーガニックである」と一般的に知られているように思います。一体、どのようなところがメイド・イン・アースの個性なのでしょうか?

前田剛・けいこ夫妻。オフィス近くの緑道で

前田けいこ: メイド・イン・アースの個性と言ったらきっと、「コットン製品でつくることができるものは、全部オーガニックコットンでつくってゆきたい!」と思ってスタートしたところにあると思います。アイテムの幅も広く、タオルもあれば寝具もある。ベビーアイテムもあれば大人の衣類も。マスクもあれば、下着や布ナプキンも…と、とても欲張りなブランドなんです。

それは、自分たち自身が生活者でもあり、こんなものが欲しい! というものを形にしてきたから自ずとアイテムが広がってきたのですが、それがいつしか、オーガニックコットン製品をとりまくライフスタイルにかかわるものづくりにも発展してくるようになりました。自分たちで意識してきたわけではないのですが、それが私たちの大きな個性になってきたように思います。

そして、私たちのものづくりのこだわりは、最終加工まで“オーガニック”であるというところです。

前田剛: メイド・イン・アースのアイテムは、原料はオーガニックコットンのみで、色もコットン本来がもつ、きなり、茶、グリーンの3色のみ。製造工程でも、化学染料や化学薬品、合成洗剤を用いて環境やオーガニックコットンの生地に負担をかけることをいっさいしない、縫製もすべてオーガニックコットンで、さらに生地の強度を上げたり形崩れを防止するなどの資材にもウエスト部分のゴムやタグアナッツのボタンなど、製品使用上必要不可欠な部分を除いてオーガニックコットン以外のものはほとんど使いません。

前田けいこ: 一般的なアパレルのブランドであれば、あらゆる生地、色や柄の中から無限のパターンをつくり出すことができます。使える素材も色も限られていたからこそ、その制約の中でものすごくカッコイイ、そして素敵なものをつくりたい! という気持ちわいてきました 。
目の前にある、摘んだばかりのふわっふわのコットンから発想していく、という感じでしょうか。天然素材をいかに天然のままで仕上げるか。私たちが繊維やファッションの“プロ”だったら、そうは思わなかったでしょう。

—— ただオーガニックコットンを使えばそれでいい、というわけではないんですよね?

前田けいこ: オーガニックコットンを原料に使っていても、そのやわらかさが失われている製品があるのも事実です。それは、オーガニックコットンのよさを生かすことができない製造工程に理由があるからです。

例えば、天然のコットンにはオイル分が含まれていますが、油分があると染色をする時に色が染み込みにくくなるため、脱脂します。コットンの繊維だけを抜き出して化学染料や蛍光塗料で染めてしまうと、せっかくオーガニックコットンを使っていても、繊維は傷ついていますし、無垢なままの状態とは言えないですよね。製造工程のあらゆる過程で、効率化や合理化のために化学薬品が使われています。

前田剛: オーガニックコットン製品であっても、特に製造工程について環境負荷低減をうたっているところでなければ、通常のコットン製品の製造工程と同じところもあるのです。
通常のコットン製品には大量の農薬が使われ、製造工程でも化学薬剤や合成洗剤などが使われていますが、最終製品でみると、残留農薬や製造工程で使う薬剤に関してはオーガニックコットンも通常のコットン製品もほとんど変わらないと言われています。また、オーガニックコットンと一般綿をブレンドしている場合、その違いを見分けるのはとても難しいのです。

ただ、オーガニックコットンを原料として使うこと、あるいは通常のコットンや化繊にブレンドしてオーガニックコットンの比率を高めること自体は、世の中全体の流れとしてみれば確実にいい方向に進んでいる、と言えます。企業の社会的責任、社会貢献として、世界のコットン産業に関わる環境改善や環境保全、農業従事者の健康問題の解決などにつながるからです。

一方で、オーガニックコットンであればなんでも「地球にやさしい、肌にやさしい」というイメージが先行していますが、必ずしも製造工程までもがオーガニックであるわけではないことに注意が必要です。オーガニックコットンと一般綿をブレンドした場合その違いを見分けるのはきわめて困難です。いろいろなメーカーの品質タグに「オーガニックコットン」と表示されていても、その割合が100%なのか、栽培だけがオーガニックなのか、製造工程も含めてオーガニックなのかがわからないのが現状です。
できれば、各メーカーに確認をしながら、本物のオーガニックコットンに出会っていただきたいと思っています。

●メイド・イン・アースでは染色も、化学処理もしない。

―― メイド・イン・アースの製品と、一般的なコットン製品の製造工程の違いを教えてください。一般的なコットン製品はどのようにつくられるのですか?

前田けいこ: まず始めに、原料となる原綿を紡績(原綿の繊維に撚りをかけて糸にすること)します。紡績後、生地にするための下準備として、糸の滑りをよくするために「ワインディング」といって、パラフィンやシリコン樹脂などのワックスをかける工程があります。

工場の理解と協力あってこそのものづくり

繊維を織って布にする工程では、経糸が引っ張らて切れてしまうと布として成り立ちませんから、縦糸の強度を増して切れにくくするために、糸に糊をつける「サイジング」という工程があります。糊に使われるのはPVA(ポリビニルアルコール)、ワックス、でんぷん糊などです。こうして糸を織り、あるいは編んで生地をつくります。

生地ができたら、今度は糊を落とす「糊抜き」や、布の汚れや油分を取り除く「精錬」という工程があります。酸化糊抜き材(亜シュウ酸ソーダ)や苛性ソーダなどを用いることによって染料が浸透しやすくなります。また、コットンは本来薄いきなりやグリーン、茶色がかっているのですが、色が残ったままだと染色する時に色のりがよくないので、過酸化水素や次亜塩素酸ソーダ、蛍光漂白剤などで漂白します。染色の際には化学染料や蛍光塗料などを使います。

こうしてできた生地の仕上げとして、合成洗剤で洗いをかけ、柔軟剤を使って仕上げます。また、生地が縮まないよう防縮加工や、防水加工が施され、さらに浸透剤などが添加される場合もあります。 そして、綿糸や、切れにくい化繊の糸で縫い合わされ布製品になります。

以上が一般的なコットンの加工です。

―― 次に、メイド・イン・アースのアイテムのつくられ方について教えてください。

前田けいこ: メイド・イン・アースのものづくりでは、原料である原綿はすべて認証機関によって認定されたオーガニックコットンを使います。ワインディング剤は基本的に使用せず、どうしても必要な場合にのみミツロウを用います。

職人さんの高い技術力に支えられている

また、経糸の強度を増すためのサイジングでは、小麦粉やコーンスターチ、でんぷん糊などを使うほか、糊づけはせずに経糸を2本どりにすることもあります。糊抜きにはでんぷんを分解する酵素・アミラーゼを使用。染色はしないので仕上げに天然石けんで洗います。ワインディングやサイジングの工程がない製品では、お湯洗いのみで仕上げることもあります。縫製の糸もすべてオーガニックコットンです。

―― オーガニックコットン製品は、製造工程もオーガニックだとばかり思っていました。だって食品がそうだから……。

前田剛: 有機JAS認定された加工食品などは、製造工程もすべて有機の基準に即し、洗浄方法や包装資材、輸送や管理の方法が定められているのですが、同じ農産物であっても、衣類であるコットン製品は食品ではないので有機JASの基準はオーガニックコットンには当てはまらないのです。同じ農産物であっても、食品は農水省管轄、衣類であるコットン製品は経済産業省の管轄であるという違いもあります。

オーガニックコットン製品の製造工程に関する有機認証もあるのですが、メイド・イン・アースの場合協力工場が多岐にわたるため、すべての工場で有機認証を取得すればコストにはね返ってしまうので現状ではそれはしていません。まずは布ナプキンから製造工程の有機認証の取得をしようと準備をしていますが、その一方で、メイド・イン・アースの自主基準を整理し、お客様にもわかりやすい形で公表していこうと考えています。

●買う人が、自分の目で見て、感じて判断することの大切さ

―― メイド・イン・アースの基準でものづくりをするのは、一般のコットン製品の製造工程に慣れてしまっている工場にとっては、大変なことではなかったのですか?

干し摘みたてのふわっふわのコットンをそのまま形に

前田けいこ: 工場にとってみれば、ワックスをかけること、糊抜きをすること、合成洗剤で洗いにかけることなどはいたって普通のことで、最初のころは「これも使っちゃダメなの?」「こういう加工をしないと生地が伸びちゃうよ」などと言われたことがありました。生地の伸び縮みを防ぐ、それは工場にとってみれば思いやりであり、作業を合理化するためには当たり前のことだからです。

このような、化学薬品を使用しない製造方法は効率的ではない場合が多く、技術的にも難しいので、私たちの想いを理解して挑戦してくれる工場が最初の頃は少なく、製造工場を探すのはとても大変でした。そんななかでこれまで必死に想いを伝えて、今では工場の方に「この製品、いいね!」とまで言っていただけています。メイド・イン・アースの製品をつくってくださっている工場の方々の、思いの共有と協力なくしては、いいものづくりはできないのです。

―― メイド・イン・アースのタオルに顔をうずめると、そのふわふわした感触とやわらかさにすっかり安心してしまいますが、これがオーガニックコットン本来の姿なのですね。

前田けいこ: メイド・イン・アース製品の第一号であるタオルに関しては、摘んだばかりのコットンボールをそのまま敷き詰めたようなイメージ!を大切につくっています。綿そのままのタオルであれば、かなり長い間そのやわらかな風合いを実感できます。使うほどに深みと味わいが出て、ぼろぼろになっても捨てることができないくらい愛着が増してきます。元々生きている植物のエネルギーがそのまま残っているからでしょうか。

初めてオーガニックコットン製品に出会う人にこそ、メイド・イン・アースのアイテムを味わってほしいと思っています。「オーガニックコットンってすごくやわらかくて気持ちがいいんだ!」というイメージ通り、あるいはそれ以上の気持ちよさを感じていただけるはずです。

―― 消費者が本当に「安全・安心」を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?

アイテムの幅の広さが魅力

前田剛: とにもかくにも、自分たちで調べる、問い合わせるということから始まるのではないでしょうか。これはコットン製品に限ったことではありませんが、疑問に思ったことはメーカーに電話やメールで問い合わせる、あるいはオーガニックコットンを取り扱う自然食品店やオーガニックショップなどで尋ねてみるのも一つの手です。

値段設定には必ず理由があります。メイド・イン・アースの場合は、例えば糸に負担をかけないよう機械をゆっくり回したり、化学的な処理を施さないぶん、コストがどうしても上がってしまいます。また、洗いにかける時も、工場で釜をせっけんで洗浄してから使うなど、薬品に頼らないぶん余分な手間がかかってしまい、それが価格に影響します。逆に、オーガニックコットン製品であまりにも値段が安い場合、製造工程に対する疑問や、生産者の生活環境への疑問がわいてきてもおかしくないのかな、と。

前田けいこ: 私たちはオーガニックコットン製品を製造している専門ブランドメーカーであるために、最終製品に至るまでのあらゆる製造工程でも、できる限りオーガニックを貫いていきたいと思っています。

「メイド・イン・アースの製品だったら深く考えなくても安心して使える」「環境を破壊しない、心地よいふわふわのコットン製品」と、多くのお客様に言っていただいているのは、とてもうれしいことですし、更にその期待を超えてゆきたいと思っています。

目の前にあった無垢なままのオーガニックコットンに魅せられ、消費者目線からスタートしたブランドですが、心あるスタッフに恵まれ、ベビーから大人まで、寝具やアパレル、そして食品や家具まで生産するようになりました。これまで目指してきたように、暮らし全体でオーガニックを追求していく……それを求めている人の声を聞き、感じて、伝えていくために、もっともっと、私たち自身そしてブランドを磨いていきたいと思っています。

(了)

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